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★アレルギー性鼻炎、花粉症の症状と発症のしくみ★
花粉症というのは、アレルギー性鼻炎のなかでも、原因(アレルゲン)となる花粉の飛散する季節にだけ
症状がみられるものをさし、「季節性アレルギー性鼻炎」ともよばれます。日本では1960年代からスギ花粉症や
ブタクサ花粉症が報告され、70年代以降、年々増加。いまや、国民全体の16〜20%が発症しています。
花粉症のアレルゲンとしては、スギ(2月〜4月)、ヒノキ(3月〜5月)、カモガヤ(イネ科、春〜秋)などをはじめ、
60種類にものぼるといいます。一方、ダニ、ハウスダスト(家塵)、猫の毛などがアレルゲンとなり、季節と関わりなく
一年中症状が見られるものを、 「通年性アレルギー性鼻炎」といっております。
さて、花粉症では、発症初期の症状として、くしゃみ、水っぽい透明な鼻汁、鼻閉(鼻づまり)、という鼻炎の三大症状に
加えて、目の痒み、流涙(なみだ目)、充血(目の赤み)などのアレルギー性結膜炎をしばしばともないます。
その他、のどの痒み、のどの発赤と痛み(咽頭炎)、皮膚の痒みと熱感、頭痛などをともなう例があります。
花粉症の発症のしくみは、まず、花粉にふくまれる抗原成分が鼻粘膜の上皮細胞に入り込み、体がこれを異物と
認識すると複雑な免疫反応によって、IgE抗体といわれるものを作りだします。
次に、抗原刺激が繰り返されると、鼻粘膜の肥満細胞の表面で、抗原とIgE抗体が結合、反応して肥満細胞の中に
ふくまれているヒスタミン、ロイコトリエンなどの化学伝達物質(ケミカルメディエーター)が一挙に大量放出されるのです。
最後に、このヒスタミンなどが知覚神経、血管の内皮細胞に作用し、くしゃみ、鼻水や、鼻粘膜のうっ血、浮腫による
鼻閉をひきおこします(即時反応)。さらに、遅発反応として、さまざまな炎症が反復、持続して、治らなければ慢性化、
重症化していきます。
☆アレルギー性鼻炎の現代医学的治療☆
治療目標は、苦痛なく日常生活が過ごせる程度に症状を消失ないし軽減させることにあります。
花粉症では、花粉を回避するためのいろいろな対策、グッズ(マスク、めがねなど)などが、通年性鼻炎ではダニ対策が従来、
強調されてきました。しかし、これだけでは症状をおさえることは不可能ですので、適切な薬物療法が必要です。
前述した、ヒスタミンなどの化学伝達物質の遊離・放出をおさえるくすり(インタール、リザベン)、化学伝達物質受容体拮抗薬
(放出されたヒスタミンが、神経細胞や血管内皮細胞に出現しているヒスタミン受容体に結合しようとするのを、競合作用によって
ブロックします)として「第2世代抗ヒスタミン剤」が有名です。とくに後者はいわゆる抗アレルギー剤の代表薬として有効性が高く、
眠気などの副作用がたいへん少なく、安全性の高いもの(クラリチン、エバステル、アレグラ、アレロック、アレジオンなど)が
開発され、処方されている現況です。
花粉症の初期療法として、花粉飛散の1、2週間前から抗アレルギー剤(どれか一種類でよい)を予防投与して、
そのシーズンの症状を軽くしようとする方法が勧められており、患者の約八割が効果ありと報告されています。
症状が発現してからの治療を導入療法といい、やはり上述のくすりが有効です。
スギ花粉症では例年、3月中旬の前後10日間には中等度から重症の人の受診が増えますが、鼻症状の強い人には
ステロイド点鼻薬が有効です。
結膜炎には、抗アレルギー剤の点眼薬、症状高度のときは、一時的にステロイド点眼薬が用いられております。
重症例にはステロイド剤の内服(セレスタミン)が短期間に限っておこなわれています。ステロイド剤の注射は特別の
医学的理由がないかぎり、副作用の面からおこなうべきではありません。
☆漢方をベースとした花粉症の総合的治療☆
私は患者の体質、症状にあった漢方薬と、進歩した抗アレルギー剤などを上手に組み合わせれば大半の花粉症の治療、
コントロールは容易であり、賢明な方法であると経験的に考えております。
花粉症の発症当初は、水様透明な鼻水がポタポタとあふれ、流れでて(溢飲)、鼻粘膜の色調は蒼白な、
「寒証型」が多いのです。このタイプは体が冷えた状態であり、小青竜湯、
麻黄附子細辛湯がよく効きます。
いずれも体の内部や気道、肺を温め、体内に停滞した過剰な水分、むくみをとりのぞき、症状を軽快させます。
小青竜湯に附子
(加工ブシ末など)を加えると両者を合わせた処方となり、作用が強められ、高度の鼻水発作にたいしても頓服でよく効くのです。
両者にふくまれる麻黄という生薬が合わない人がいますが、
苓甘姜味辛夏仁湯などを用います。
これにたいして、症状が長引き、あるいは体質によって鼻閉が強く、鼻粘膜も赤みを帯びて、鼻水はネバネバしており、
のどの痛み、咽頭炎、結膜炎などをともなうものを「熱証型」といっております。これは体が熱をもった状態ですから、
消炎作用のある麻杏甘石湯、
辛夷清肺湯、清上防風湯
などが応用されます。
しかし、寒証と熱証とがいろいろな割合で混合、錯雑して見られる場合もありますので、両方のタイプのくすりを上手に
併用することがよくおこなわれます。
これらの漢方はエキス剤(健康保険が適用)で十分に効きます。重症度に応じて医学的に必要な西洋薬
(抗アレルギー剤、点鼻薬、点眼薬など)を追加、併用することでよい治療効果をあげ、QOL(生活の質)を保つことが
できると思います。体質改善法としては、体に過剰水分(水毒)と冷えをともなう人が圧倒的に多く、
当帰芍薬散などが有用です。
また、胃腸、消化吸収系を丈夫にしてアレルギーにたいする免疫異常を改善させる
補中益気湯、抗アレルギー、抗ストレス、健胃作用のある
柴胡桂枝湯などの久服などが有用でしょう。
アトピーですでに漢方を長く服用されている人は、体質改善効果がでてきておりますので、花粉症は軽くすむ例が多いでしょう。
★花粉症と食生活、養生★
花粉症に限りませんが、およそアレルギー疾患の食生活では、なにを食べるかというよりも、なにを食べないか、
なにを摂りすぎないか、ということが大切なポイントです。 一般に、ジュース、ビール、くだもの、甘味料などは体を冷やし、
水毒をもたらす食品といえます。とくに、砂糖(白砂糖、チョコレート、ケーキなど)の摂取は、一時的でもよいのですから
ピタッとおやめになって、さらに小食(もっと食べたいと思う寸前で箸を置く、腹七分目)にしていただくと、速やかに治ります。
私のように朝食をやめて、1日2食くらいにするのが簡単な小食法です(私には幸い、花粉症なし)。
また、冷え対策としての靴下の重ね履き、ブーツの着用はすすめられます。
養生体操としては、金魚運動、毛管運動がよいと思います。
民間療法としては、柿の葉のお茶の飲用(天然ビタミンCの補給)、
紫蘇の葉の食用もよいようです。
著者:つるかめ先生
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